ベリーズの音楽文化について
ベリーズは、中米で唯一英語を公用語とする国で、アフリカ系ガリフナ、マヤ、クレオールなど多様な民族が共存しています。なかでも、ガリフナ文化に根ざした音楽は、この国を代表するサウンドとして国内外で注目されています。
代表的なジャンル
パンタ(Punta)
ガリフナ民族に伝わる伝統的なリズムで、手作りのドラム「ガリフナドラム」、シスラ(カリブのシェイカー)などによる速いテンポの打楽器演奏と、コール&レスポンスの歌唱が特徴。コミュニティの祝祭や儀礼で演奏され、現在では「パンタ・ロック」として現代的なダンスミュージックにも進化しています。
パルンダ(Paranda)
アフリカとラテンの影響が混ざったガリフナ系のフォーク音楽。スローなテンポで、ギターの伴奏と深い歌声が印象的。日常生活や内面の想いを詩的に綴る。
ブロカダウン(Brukdown)
クレオール系ベリーズ人の伝統音楽。ハーモニカ、ギター、ドラムなどによる陽気な演奏で、風刺や物語性のある歌詞が特徴。年末年始の行事などで人気。
代表アーティスト
アンディ・パラシオ(Andy Palacio)
ベリーズの国民的英雄ともいえる音楽家。ガリフナ語の保存と普及に音楽を通して取り組み、ユネスコの無形文化遺産保護にも貢献した。
ガリフナ・コレクティブ(The Garifuna Collective)
アンディ・パラシオの意思を継ぐアーティスト集団。ルーツに忠実でありながら現代的アレンジを取り入れ、世界各地でツアーを行っている。
ベリーズの音楽は、まさに「文化の声」。その中でもガリフナのリズムは、誇りとアイデンティティを鼓動として刻み続けています。
Written by selector HEMO